福井県立大学恐竜学部の1期生34人が7日、入学した。同県永平寺町の永平寺キャンパスで全学部の入学式に臨んだ後、同県勝山市の県立恐竜博物館で恐竜学部だけの入学セレモニーに参加し、さっそく最新研究の一端に触れた。
恐竜学部の1期生34人のうち、県内出身者は6人、県外出身者は28人。1年次は永平寺キャンパスで、2年次から恐竜博物館の隣に建設中の恐竜学部棟で学ぶ。
入学セレモニーでは、西弘嗣学部長が「毎日恐竜を眺めながら、恐竜ざんまいの4年間を過ごせるカリキュラムを用意しています」と歓迎のあいさつ。恐竜王国福井の礎を築いた東(あずま)洋一・県立大名誉教授は「恐竜を勉強するのではなく、恐竜で自然科学全般を勉強してください」と呼びかけた。客員教員となる恐竜博物館の研究者や学芸員も紹介され、恐竜だけでなく貝類やカメ、昆虫、植物、地層など古生物学や地質学全般を広く深く学べる教育環境について説明した。
1期生たちはその後、恐竜学部棟の建設現場を見ながら、導入される大型CT(コンピューター断層撮影)装置などの設備や各教員の研究内容についても解説を受け、恐竜博物館内の展示を研究者と見て回った。
研究者が恐竜の全身骨格化石の下に頭部化石がもう一つ置いてある理由を尋ねると、1期生は「全身骨格の頭部はレプリカで、下が実物。実物は重くて貴重だから上に飾れない」と正答し、研究者を感心させていた。
古生物学者を目指すという埼玉県出身の1期生、小林凛久さん(18)は「授業を受けるのが一層楽しみになりました」と話した。滋賀県出身の高橋良斗さん(18)は「恐竜博物館の方々からも色々なことを教わりたい」と話した。