米国の国際的なスタートアップ支援企業「ケンブリッジ・イノベーション・センター(CIC)」がアジアで2カ所目となる拠点を福岡・天神に開設した。スタートアップ企業など最大約250社が入居でき、企業同士が交流しやすい環境が整備されている。まずは国内外の約40社が入り、世界を見据えた福岡発のビジネス創出を目指す。
CICは、スタートアップの成長を支援するオフィススペースを運営しており、世界5カ国に10拠点を有する。2020年に開設した東京拠点は、企業評価額が10億ドルを超えるユニコーン企業となった生成AI(人工知能)開発の「Sakana AI」などを輩出した。
新たにできた「CIC Fukuoka」は、開業したばかりの複合ビル「ワン・フクオカ・ビルディング」(ワンビル)内に約140室を整備。交流スペースがあり、定期的な交流イベントもある。プライベートオフィスを借りる審査基準の一つが「他の入居者と交流したいか」。コワーキングスペースの賃料は月額8万円で、プライベートオフィスの賃料は非公表。4月24日の開業後、台湾などの海外企業を含む約40社が入居した。西日本鉄道や九州電力といった大企業の新規事業を担う部署も入っている。
起業家にとって、福岡という都市の魅力はどこにあるのか。記事の後半ではCIC Fukuokaに入り、海外進出を目指すスタートアップ企業の話を紹介します。
世界各国の拠点に入る企業間が連携することもでき、掲げるのは地方都市から世界へのイノベーション創出。日本法人であるCIC Japanの梅澤高明会長は「福岡には、製鉄や自動車、半導体など産業の広がりと厚みがある。さらに九州大や九州工業大など産業を支えるアカデミアの強みもある」と話す。
CICのティム・ロウCEOが語る福岡の強み
CICのティム・ロウCEO…