九州最大の商業地、福岡・天神に西日本鉄道が建設した複合ビル「ワン・フクオカ・ビルディング(ワンビル)」が24日に開業する。市の再開発促進策「天神ビッグバン」の目玉であり、周辺で進む他の再開発と合わせ、地域経済に与える影響が注目される。
ワンビルは高さ97メートルの地上19階、地下4階建てで、総事業費は約900億円。天神交差点に面した福岡ビルと、天神コア、天神ビブレの3棟を一体的に再開発することで大規模化を図った。
地下2階から地上5階が商業フロアで、ビル全体では開業時点で飲食や物販の130店が展開する。そのうち九州初出店と新業態が計60店で、福岡県内唯一の22店を合わせ、西鉄は「全体の6割超が福岡県内ではワンビルでのみ楽しめる店舗」とアピールする。
オフィス入居率は65%、西鉄は空室解消に自信
8~17階のオフィスはワンフロアの広さが約1400坪(約4600平方メートル)と西日本最大規模。西鉄が本社を戻し、みずほフィナンシャルグループの各社や九電工などが入居する。
一等地の立地で最新設備を備え、オフィス賃料の目安は1坪あたり3万2千円と九州の最高水準。現時点の入居率は65%だが、九州進出を検討する台湾企業などが物件の確認に来ているといい、西鉄は早期の空室解消に自信を見せる。
18、19階には宿泊施設の「ワンフクオカホテル」がオープンする。客室は35~64平方メートルの41室で、高層からの眺望が楽しめるテラス付きの部屋もある。
西鉄は「創造交差点」を開発コンセプトに掲げる。様々な人の交流を促すことを重視して設計、テナントの誘致を進めてきたという。
社食代わりの天神福食堂、一般客も利用可能
5階に入る「天神福食堂」は、テナント従業員の社員食堂の役割も果たしながら、一般に開放して買い物客らも利用できるようにした。
6、7階の「スカイロビー」…