九州各地で大雨被害が心配される中、福岡市の河川氾濫(はんらん)への注意を呼びかけた一般のSNS投稿について、高島宗一郎市長が自身のSNSで「偽情報」「大変迷惑」などと11日に投稿し、数時間後に削除した。実際に氾濫していたことが分かったためで、高島市長は「私の情報のほうが誤っていた」とする謝罪文を投稿した。

 福岡県内では10日、線状降水帯が発生し、同市でも激しい雨が降った。同日、「香椎川氾濫!気をつけて」として、泥水が道路を覆い車が水没した様子の動画がSNSに投稿された。

 これに対して高島市長は11日午後、「昨日夕方の記録的大雨では、大変迷惑な事案がありました。それはSNSの偽情報動画です」とインスタグラムなどに投稿。川の氾濫はなかったとし、「このような虚偽情報への対応に追われることは、災害対応の大きな妨げになります」と指摘した。

 市災害警戒本部によると、動画が撮影されたのは東区香椎4丁目付近。川があふれた可能性を指摘する住民の情報を受け、市職員が現地を確認したところ、氾濫の跡があった。投稿した本人にも話を聞き、偽情報ではないと判明したという。

 警戒本部の担当者は「もっと慎重に対応すべきだった。再発防止の対策を取りたい」。高島市長は謝罪の投稿で、「災害時には正確な情報発信が何よりも大切です。そして受け手も冷静に情報の真偽を確かめることが重要です。その啓発を目的に投稿したはずの私の情報が誤っており、本当に情けなく、恥ずかしい限りです」と陳謝した。

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