10日午前0時15分現在の雨雲の状況。福岡県で線状降水帯が発生した=気象庁ウェブサイトから

 気象庁は9日夜、福岡県で線状降水帯が発生し、非常に激しい雨が同じ場所で降り続いていると発表した。同県新宮町付近では、9日午後11時40分までの1時間に約120ミリの雨を記録したとして、数年に1度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測したことを示す「記録的短時間大雨情報」も発表した。

 九州北部地方(山口県、福岡県、佐賀県、長崎県)では、9日夜のはじめごろから10日夜のはじめごろにかけて、線状降水帯が発生し災害発生の危険度が急激に高まる可能性があるという。同庁は、命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっているとして、注意を呼びかけている。

 10日午後6時までに予想される24時間降水量は多いところで、九州北部地方300ミリ▽四国地方200ミリ▽近畿地方180ミリ▽東海地方150ミリなど。11日午後6時までの24時間では、四国地方300ミリ▽関東甲信地方、東海地方、九州南部200ミリ▽近畿地方、九州北部地方150ミリなど。

 線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがある。また、西日本ではこれまでの大雨で地盤が緩んでいる所もあり、少ない雨量でも土砂災害の危険度が高まるおそれがあるという。

山陽新幹線の運行にも影響

 気象庁は、西日本から北日本の広い範囲で12日ごろにかけて土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫(はんらん)に警戒・注意するよう呼びかけている。

 北九州市は9日午後10時すぎ、土砂災害のおそれがあるとして、約15万2千世帯の約28万5千人に避難指示を出した。

 JR西日本とJR東海は10日の山陽新幹線の運行について、状況次第で速度を落としたり、行き先変更や運転見合わせをしたりする可能性があると発表した。

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