東京電力福島第一原発の事故で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)について、日本原子力研究開発機構は19日、茨城県内の施設で行う分析の様子を報道陣に公開した。
昨年11月、東電は2号機の原子炉格納容器の底部から重さ0.7グラムの燃料デブリ一粒を試験的に採取した。取り出した燃料デブリは、茨城県大洗町の原子力機構の研究施設に運ばれ、分析が行われている。
これまでに行った表面の分析では、核燃料に含まれるウランなどが検出された。現在は、細かく分けた試料をさらに複数機関に分配して、より詳細な分析が進められている。
この日は、ガラス窓越しにある燃料デブリを遠隔で操作して、電子顕微鏡で観察する様子を公開。また、今後の分析で用いる、ウランの同位体比などを測定できる装置を公開した。
原子力機構福島廃炉安全工学研究所の荻野英樹技術主席は「分析はこれからが本番。デブリにどんな元素が含まれるか、どこからきたものなのかなどの情報が取れるのではないかと考えている」。今年6~7月に主要な分析結果をまとめたいという。