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写真・図版
完成した巨大貼り絵=福生高校

 東京都立福生高校で毎年、美術部員を中心に制作する巨大貼り絵が今年も完成した。使った色紙はおよそ200色。指1本分ほどの長細い形にちぎって縦約6・4メートル、横約11メートルの板に貼りつけ、2カ月がかりで20世紀初頭の名画を再現した。

 毎回、異なる絵画を取り上げており、11年目となる今年は人物を表現したいという美術部員の希望で、英国の画家ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスが1903年に描いた「エコーとナルキッソス」に決めた。自己愛(ナルシシズム)の語源となったギリシャ神話を題材とした有名な絵だ。

 もとの油絵と同じ色合いを出すため、11人の美術部員がどの部分にどの色を貼るか綿密に計算。1~2年の生徒約560人や3年のクラス代表らが夏休みに入れ替わり登校しては貼りつけに協力した。

 肌の色見を出すのに苦労したが、美術部長の白戸裕星さん(17)は作品の出来映えは96点と誇らしげ。「完成できたのは生徒みんなのおかげ。人のつながりの大切さを実感した」と話した。

 16~30日の午前9時から午後4時まで、同校中庭で一般公開する。(森治文)

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