災害時の対応は、事前にどこまで具体的な事態を想定しているかに左右される。2024年から、災害に備えた業務継続計画(BCP)の策定がすべての介護サービス事業者に義務づけられた。ただ、BCPをどう生かすかは施設次第だ。
名古屋市熱田区の特養「桜田ファミリア」では、BCPを簡略化したハンドブックを作った。施設長の古宮基男さん(52)は「発災時に指示を出す立場の人が(施設内に)いるとは限らない。これだけ見て、これだけやってくれればいいという内容にしている」と話す。
夜勤時間帯で3人態勢の場合から、午後で10人以上職員がいる場合まで3パターンに分け、水分や食事、服薬、健康チェック、排泄(はいせつ)ケア、口腔ケア、清拭、暑さ寒さ対策など項目ごとに最低限必要な対応をまとめた。能登の経験を参考に、スプリンクラーの制御弁の閉め方や、受水槽から水をくみ取る方法も盛り込んだ。少ない職員で回す災害時シフトも組んだ。
地域での備えにも力を入れる…