東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県大槌町の大槌高の校内サークル「復興研究会」の1、2年生が2日、同県陸前高田市の東日本大震災津波伝承館で、高田高や盛岡一高の生徒たちと震災伝承について話し合った。
それぞれこれまで行ってきた伝承・防災活動のうち印象に残ったことやその理由について意見を交わした。すると、被災経験者から話を聞いたり避難所運営ゲームをしたりと、体験や疑似体験をした方が文献を調べるより印象に残っていた。効果的な伝承方法については「もっと震災遺構を残して欲しかった」と惜しむ生徒もいた。
仮設住宅生活の経験がある高田高2年の佐藤花菜さんは「活動の意味を考えながらすることなど、参考になった」。盛岡一高1年の大柏山伍(さんご)さんは、「沿岸の高校生と話す機会がなかった。話すことで自分ごととして捉えられてよかった」。
司会をした大槌高2年小嶋優渉(ゆあ)さんは「二度と逃げ遅れる人がいないようにという経験者の思いをつなぎたい。それにはまず自分たちの考えを言い合うことが大事だと思った」と感想を話した。
その後生徒たちは、伝承館を訪れた人たちに、震災時の経験を聞き取った。大槌高2年の里舘瑠那(るな)さんは「東京から来た人に情報がなくて困った体験を聞き、場所によって違った記憶があることがわかった」と話した。