コンプレックスだらけで、暗い性格。クラスから浮いていた。でもずっと「カワイイ」ものが好きで、インターネット上に広がる多様な価値観に救われてきた。そんなmillna(ミルナ)さんがつくる服やアクセサリーは、同じような悩みを抱える女性たちの共感を呼んでいる。
JR高円寺南口から歩いて5分ほど。商店街から横道に入ると見えてくる建物の2階に、millnaさんの店舗はある。
シャンデリアが印象的な、アンティーク調でまとめられた店内。フリルがふんだんについた服や、ハートやバラなどをモチーフにしたアクセサリー小物が所狭しと並ぶ。築60年以上の木造の建物とは思えない空間だ。
よく見ると、自分で集めたり、人からもらったりしたというガラスの置物やフィギュアなども置いてある。millnaさんは言う。「この場所は、私の商品を売ったりお客さんと話したりするだけじゃなく、カワイイものを見せびらかす場でもあるんです」
幼い頃から、カワイイものに興味津々だった。リカちゃん人形はもちろん好き。折り紙でギャザーの入った人形サイズの服を作り、段ボールで好きなゲームのキャラクターのフィギュアを作った。
ショッピングモールで見かけた革小物を見て「なめした革のように段ボールを使ったら同じ物ができるかも」と思い、見よう見まねで自作したこともあった。
ものづくりのきっかけは「既製品に欲しいと思えるものがなかったから」だと振り返る。「じゃあ自分で作るしかないと。大学生の頃から服を作り始めたんですけど、それも自分が着たいものがこの世にないと感じていたからです」
9年前、ワンピースのブラン…