早稲田や慶応義塾など多くの大規模私立大学が加盟する日本私立大学連盟が7日、国立大学の授業料の上限規制撤廃などを求める提言を発表した。国立大生は私立大生に比べて世帯年収が高い層の割合が多いのに学費負担が軽いとして、現行の授業料は「経済格差と教育格差を助長している側面がある」とした。合わせて、返済不要の給付型奨学金と授業料減免を柱とする国の修学支援制度の対象拡大も求め、それらの財源として2兆円分の「教育国債」の発行を提案した。
連盟は、少子化時代の大学の財源などを議論する中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)でも検討してもらい、政府の施策に反映させることをめざす。
国立大の授業料は、文科省が定める「標準額」の1・2倍まで個々の大学の判断で引き上げることができる。標準額は2005年度から53万5800円で変わらず、上限は64万2960円。学部については一橋大や千葉大など6大学がすでに上限もしくはそれに近い程度まで引き上げており、東大が来年度の入学者から上限まで値上げする案を検討中だ。
日本学生支援機構の調査では、年収900万円超の世帯の学生は、国立大では36.7%、私立大では32.6%。04年度と比べて国立大は5.6ポイント増え、私立大は7.0ポイント減って逆転している。
提言は、慶応義塾の伊藤公平…