全国最多の173チームが参加した第107回全国高校野球選手権愛知大会(朝日新聞社、愛知県高校野球連盟主催)は、ノーシードの豊橋中央が決勝で初となる延長タイブレークの末に初優勝を果たし、幕を閉じた。
豊橋中央が躍進した一方で、今大会は4年ぶりに「私学4強」と呼ばれる中京大中京、享栄、東邦、愛工大名電の強豪校がベスト8にそろった。
大会終盤は、「4強を倒して甲子園に行く」と闘志を燃やす挑戦者と、それを迎え撃つ4校の名勝負も見られた。昨夏に続き、準々決勝で中京大中京にはね返された名古屋たちばなの中島稜太投手(3年)は、「手の届かない相手ではなかった」と悔しさをにじませた。
公立校の左腕投手にも注目が集まった。全国屈指の好投手にまで駆け上がった高蔵寺の芹沢大地投手(3年)は、2回戦で自己最速の151キロをマークし、敗れたが強烈なインパクトを残した。
今大会の5回戦から、日中の暑い時間帯を避けて第1試合を午後2時、第2試合を午後4時半開始とする「サマータイム制」が導入された。点灯ゲームも各球場であり、勝った選手たちが夜風の中で校歌を歌い上げる新たな光景が見られた。
豊橋中央は、敗れた172チームの思いを背負って全国選手権に挑む。大会は8月5日、阪神甲子園球場で開幕する。