秋田県発注の道路補修工事をめぐり県警は26日、県職員の斉藤一人容疑者(56)=秋田市御所野地蔵田5丁目=を収賄容疑で逮捕し、発表した。また、青森県の土木工事会社社長の長谷川武哉容疑者(81)=青森県五所川原市=と、同社社員の御所野富雄容疑者(77)=潟上市天王上狼縁=を贈賄容疑でそれぞれ逮捕した。県警は3人の認否を明らかにしていない。
斉藤容疑者は事件当時、県秋田地域振興局主幹で、道路保全班長として工事を監督する立場にあった。
捜査2課などによると、斉藤容疑者は、同局が発注し、同社が2022年度に実施した国道285号沿いなどの転落防止柵の設置工事3件について、使用する資材を鋼材加工品から同社が扱う木材加工品に変更させ、同社が工事を下請け受注した。
さらに同年度の道路・河川維持管理業務委託に伴う転落防止柵補修工事について、同社が下請け業者となるよう、元請けの共同企業体(JV)にあっせんしたとされる。
これらの便宜に対する謝礼と、今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨で、斉藤容疑者は23年5月、秋田市内で長谷川、御所野両容疑者から現金200万円を受け取った疑いがもたれている。
県警は26日、同振興局を家宅捜索した。
県建設部では昨年も、職員が公共工事に絡む収賄罪で有罪判決を受けており、小野潔建設部長は「ゆゆしき事態」と謝罪した上で、「組織風土に果敢にメスを入れなければならない」と述べた。