東京・秋葉原の歩行者天国で2008年6月、7人が殺害され、10人が重軽傷を負った「秋葉原無差別殺傷事件」から、8日で17年を迎えた。通行人がトラックではねられたり、ナイフで刺されたりした現場には朝から多くの人が訪れ、花を供え、手を合わせた。
事件が起きたのは、買い物客でにぎわう日曜日の午後0時半ごろ。男(当時25)が歩行者天国にトラックで突っ込み、通行人をナイフで次々と襲った。男は殺人罪などで死刑判決を受け、22年7月に刑が執行された。
この日は事件当時と同じ日曜日。現場は、朝から買い物客や外国人観光客でにぎわった。近くの交差点には次々と犠牲者を悼む人が訪れ、飲み物や花を供えた。近くの柱には事件の概要を説明するチラシが貼られていて、内容を読んで手を合わせる人たちもいた。
横浜市保土ケ谷区から献花に訪れた村瀬慎一郎さん(55)は当時、買い物をしていて事件に遭遇した。「理不尽に殺された人も自分と同じで、秋葉原が好きだったはず。冥福を祈りたい」
負傷者の救護にあたり、毎年献花に訪れているという愛知県豊明市の西村博章さん(40)も現場で黙禱(もくとう)した。西村さんは、「こういう事件は二度と起きてはいけない。亡くなった方はどれだけつらかっただろう」と犠牲者に思いをはせた。