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懲戒免職処分を発表し、頭を下げる佐賀県警本部の井上利彦首席監察官=2025年9月8日午後2時1分、佐賀県警本部、岡田将平撮影

 佐賀県警の科学捜査研究所の40代職員が、DNA型鑑定で不適切な行為を130件行っていたとして懲戒免職された問題で、県弁護士会の出口聡一郎会長は9日、第三者機関による調査の実施などを求める声明を発表した。

 出口会長は、今回の問題について「科学鑑定への信頼を根幹から揺るがす」と非難。県警が不正行為について「捜査・公判への影響はなかった」としている点について「捜査機関内部のみで実施された調査結果は到底信をおけない」と訴えた。

 不正行為による鑑定結果が裁判での証拠などとして使われていないとしても、「鑑定結果の存在や内容が個々の捜査や身体拘束の判断に影響を及ぼした可能性は否定しがたい」と指摘。鑑定結果が捜査機関側に都合のよいように改ざんされた可能性が高いとも記した。

 その上で、原因究明や再発防止のため、事案の詳細と再鑑定結果を含む調査結果の全部を公表することと第三者機関による調査を求めた。

 この問題では130件のうち、16件では鑑定結果が検察庁に送致され、佐賀地検は取材に対し、「処分の決定や公判における証拠として使用された事例はなかった」として、捜査や公判には影響がなかったと説明している。

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