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ドイツ東部チューリンゲン州の州議会選で、支持者を前に演説する右翼政党「ドイツのための選択肢」(AfD)同州支部のヘッケ共同代表=2024年7月25日、エアフルト、寺西和男撮影

 欧州で広がる右傾化の流れがドイツでも強まっている。旧東独3州で9月にある州議会選で、移民排斥などをうたう右翼政党「ドイツのための選択肢」(AfD)が初めて第1党になる勢いだ。今回の選挙は来年秋の総選挙の前哨戦でもあり、既成政党は危機感を強めている。

 「今こそ、この国を再び素晴らしい国にする時だ」。9月1日に州議会選が実施されるチューリンゲン州の州都エアフルト。8月中旬、AfD州支部のヘッケ共同代表が訴えると、集まった数百人から歓声が上がった。演説では、移民や難民の流入で治安が悪化し、社会保障制度に支障をきたしているなどと「移民による危機」を強調。不法移民らを強制送還する必要性などを指摘した。

 世論調査会社INSAによると、同州のAfDの支持率は30%と首位で、メルケル前首相が所属した中道右派「キリスト教民主同盟」(CDU)の21%(2位)に差をつける。同じく1日に選挙があるザクセン州ではAfDはCDUと30%程度でトップ争いを演じ、22日実施のブランデンブルク州でも首位につけている。

過去にナチスのスローガンも、排外主義に高まる警戒

 2013年発足のAfDは移…

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