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漁船が沈没した海域で生存者の捜索をする海上保安庁の巡視船や漁船=2025年1月6日午前9時36分、茨城県の鹿島港沖、朝日新聞社ヘリから、恵原弘太郎撮影
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 6日未明に茨城沖であった漁船転覆は、乗員20人のうち、2人の死亡が確認され、3人が行方不明となっている。事故の背景について、東海大学海洋学部海洋理工学科の山田吉彦教授(海洋政策)に聞いた。

豊漁が続くイワシ 捕れすぎる可能性

 波も風もない穏やかな海だったようだが、証言もある通り、網にかかったイワシの量が多すぎたのであれば、80トンの漁船がバランスを崩し、転覆した可能性がある。網に入りすぎてバランスを崩す例は時々あるが、完全に沈没するのは異例だ。

 イワシは20年前後のペースで豊漁と不漁が繰り返され、ここ数年は豊漁が続く。大型魚に追われた時には、密集することで身を守る生態もあり、これまでの経験以上に捕れすぎる可能性はある。

 漁船には魚群探知のソナーも搭載しているが、多くが色で判別するもので、「大きな群れがいる」程度のことしか分からないだろう。経験が物を言う部分もある。

  • 「網に魚が多く入り傾いた」 茨城沖で漁船転覆、2人死亡、3人不明

海が荒れていれば慎重になるが

 穏やかな海こそ、「捕りすぎ…

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