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まちづくりの提案発表会後、意見交換する住民と大学生ら=2024年12月23日午後8時57分、富山県高岡市伏木湊町の市伏木コミュニティセンター、角谷陽子撮影
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 能登半島地震で被害を受けた富山県高岡市伏木地区のまちづくりについて、富山大などの学生が現地を歩いて考えた。同市伏木湊町で昨年12月23日夜に提案発表会があり、コミュニティーを維持し、にぎわいを創出するアイデアを地元の人たちに語った。

 富山大の籔谷祐介講師と東京科学大の真野洋介教授の研究室はこれまでに、被害が大きかった同地区の9自治会の住民らにアンケートやヒアリングを実施。被害の現状や自宅再建の方針などについて尋ねた。

 今後も地区に住み続けたいという人が多かったが、すでに転居したり転居方針だったりする人が一定程度おり、地元の交流が減ったという声も聞かれたという。

 両研究室が開いた11月30日と12月1日のワークショップには3大学の学生16人が参加。特に被害が大きかった石坂、中道両自治会地区を歩き、グループごとにまちづくり案を検討した。

 発表会は市伏木コミュニティセンターで開催。学生らは、被災した公民館をシェアキッチンなどがある地域に開いた場として再建する▽空き地での野菜作りを通じ、食をテーマに人々が交流する場とする▽空き地でワークショップやマルシェを開き、地元の人や学生のつながりを創出する、という3案を説明した。参加した地元の人らから「こんな町になればいい」と喜ぶ声や「ありがたいが、液状化対策も並行して実施しないと」といった意見があがった。

 伏木校下自治会連絡協議会の坂廣志会長(77)は「学生さんが一生懸命考えた、いい案をいただいた。まちづくりに役立てたい」と話した。

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