住む人がいなくなり放置された「空き家」をめぐるトラブルが増えている。香川県では9万戸以上の空き家があり、「空き家率」は過去最高の18.6%で全国平均(13.8%)を上回る。今年5月に発足した一般社団法人「香川県空き家対策連合会」代表理事の向井宏秋さん(64)に話を聞いた。
――設立の経緯を教えてください
もともとは「全国空き家アドバイザー協議会」高松支部として活動していましたが、県内全域から相談が増え、独立した組織を立ち上げました。
空き家が増えている一番の要因は核家族化です。若い世代が都市部に出て、実家に戻らない。親世代の家が空き家になり、次世代は新たに家を建てる。こうした流れが悪循環を生んでいます。
――相談の内容は
相続手続きや危険な建物の解体、遺産分割サポート、リフォーム・リノベーションなどさまざまです。空き家への移住・定住サポートの相談を受けることもあります。
ただ、一番大きいのは相続をめぐるトラブルです。空き家の相続人同士で意見が食い違うことが多いです。所有者の高齢者が施設に入所している場合、判断能力によって成年後見制度を利用しなければならないこともあります。手続きに時間がかかる要因の一つです。
放置は問題が複雑化
――どんなアドバイスをして…