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 和歌山県紀美野町に群生するカヤは、弘法大師空海が種をまいた――? 近畿大と「りら創造芸術学園」の研究チームが、町内に群生するカヤのDNAなどを調べたところ、約1千年前に人為的に実がまかれた痕跡が見つかった。カヤの種子は灯明などの油として重宝されたことから、チームは「紀美野に寺領があった高野山では、積極的にカヤが栽培されていたのではないか」と推測している。

 カヤの種子は脂肪分が豊富で、特に種子が大きいヒダリマキガヤは、高野山への貢納品として栽培されてきた。

 チームは昨年夏から秋にかけ、町内にある18本のカヤの葉や実からDNAを抽出。これをもとに分布図や樹形図をつくって分析してきた。

 その結果、調査した地域全体…

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