パキスタン東部パンジャブ州のムリドゥケで2025年5月7日、インドによるミサイル攻撃があったとみられる現場=AP

 インド北部カシミール地方で4月22日に起きたテロの報復として、インド軍が7日、パキスタン領内を攻撃した。「30年にわたり築かれたテロのインフラ」をたたくという作戦だが、核兵器を保有する両国の更なる衝突に発展しかねない危険性をはらんでいる。

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 インド軍によると、空爆を実施したのは現地時間の7日午前1時5~30分ごろだった。

 標的の一つ、パキスタン東部ムリドゥケでは真っ暗闇の中、立ち上る赤い炎に照らされて、大破したモスクの影が浮かび上がった。撮影された動画がSNSで拡散している。

 パキスタン側のカシミール地方では、民家から避難する人も相次いだ。ロイター通信の取材に応じた男性(46)は「数回にわたって爆発が起きた。子どもを連れて丘に避難したが、全員が恐怖でおびえている」と語った。

 インド軍幹部は会見で、今回の標的をインド側の脅威になってきたテロ組織の訓練施設や武器の保管場所などに限定したと説明。「(パキスタン軍の)軍事施設は標的としていない。民間人の犠牲者も報告されていない」と主張した。

 一方、パキスタン外務省は声明で「インド軍機がインド領空から遠隔兵器を使って民間人を攻撃した」と主張した。

 パキスタン軍当局によると、空軍がただちに反撃し、インド空軍のフランス製ラファール3機と、ロシア系のスホイ30MKIとミグ29各1機の計5機をインド領空で撃墜したという。パキスタン機はインド側に入らずに帰還。カシミール地方のインド軍部隊の司令部を破壊し、両国の停戦ライン付近では銃撃戦が続いているという。戦闘機の撃墜について、インド側は言及していない。

インド側カシミールで7日、民家の庭で見つかった飛行機の残骸=AP。パキスタン軍はインド軍機5機を撃墜したとしている

「殉教いとわない」 パキスタン軍当局者

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