太平洋戦争の空襲や原爆では、城の天守閣の多くも焼失、倒壊した。一方で姫路城(兵庫県姫路市)や高知城(高知市)のように隣接する市街地に大きな被害が出ながらも、現存する城もある。
戦後、失った天守閣の多くは鉄筋コンクリート造りで再建されたが、老朽化や耐震性の問題から、木造での改築を模索する城も多い。
原爆で倒壊
広島城(広島市)の天守閣は1945年8月6日の原爆投下により倒壊した。戦国大名の毛利輝元が1589年に築城を始めた城。1931年には国宝に指定されていた。
58年に再建されたが、60年以上が経過し耐震性に問題があるため、来年3月に閉城する。
2021年に広島市長が「木造復元をめざす」と表明し、23年度からは有識者会議が開かれている。
1945年7月9日深夜からの空襲では、和歌山城(和歌山市)が焼失した。
米軍は108機のB29から焼夷(しょうい)弾約800㌧を投下。B29の乗員は上空約6千㍍まで煙が上昇する火災が市内各所で発生した、と報告している。
和歌山、名古屋、大垣、岡山、福山、水戸。それぞれの城の戦争と戦後をたどります。
和歌山市史によると、市内各…