強盗や特殊詐欺で広がる「闇バイト」。一見するだけでは犯罪に当たるかどうか判然としない「求人」にするなど、犯行グループの手口は巧妙になっている。働く側が「闇バイト」かどうかの見極めも求められる中、求人サイトを運営する企業は対策を強めている。多様な働き方が広がるが、働き手の安全は守られるのか。

 関東地方の男性(36)はユーチューバーとしての動画編集の時間を確保するため、日雇いの仕事を14年続ける。仕事は大手求人サイトで探しており、闇バイト関連の事件の頻発は人ごとではないと感じている。

 男性が日常的に使うX(旧ツイッター)には以前、「シフト自由で週1からOKな仕事をご紹介」というDM(ダイレクトメッセージ)が突然届いた。企業のアカウントで、詳しい仕事内容は不明だが、履歴書や面接は不要とのことだった。

 実際に働くことはなかったが、SNSを通じた求人があることを知った。闇バイトの募集で使われる「高額バイト」や「即日入金」といった言葉は、日雇いの求人でも一般的に使う単語。男性は、「社会経験が少ない人だとバイトってこんなもんだと信じてしまうかもしれない」と話した。

 そんな中、スポットワーク仲介サービス「タイミー」での求人が、「闇バイトでは」とXで拡散される事態が起きた。

「猫探し」の求人「携帯と荷物預かる」

 その求人が掲載されたのは11月上旬。「夜道で猫を探すバイト」といい、「指定された道を通り、猫がいたところを地図上で印をつけるだけです!」「時給2千円+深夜割増手当」などと書かれた。「情報漏洩(ろうえい)防止の為(ため)、携帯電話や荷物を預かります」ともあった。

 運営するタイミー(東京)によると、7日未明ごろ公開されたが、「不適切な可能性のある求人」として同日午前までに掲載を止めた。募集した事業者から明確な説明はなく、アカウントを停止し、警察に報告したという。

 タイミーの累計登録者は90…

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