会見するラピダスの小池淳義社長(右)と東哲郎会長=2024年1月22日午後、北海道千歳市、新田哲史撮影
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■ラピダス秘録:下

最先端の2ナノの半導体製造に挑む国策会社ラピダスが誕生し、北海道千歳市に急ピッチで工場建設が進む。先端半導体の開発競争からとっくに脱落していた日本が、なぜ復権を目指すのか。その舞台裏を探った。(全3回)

 小池淳義は2022年春、もはや自分たちで新しい会社をつくるしかないと腹を決めていた。

 東京エレクトロンの元トップ、東哲郎からIBMが開発した先端半導体の技術導入について相談を受けたのが20年11月。小池はその年の暮れには、ソニー技術者や東大教授らと、後に「マウントフジ」と名付けることになるチームを立ち上げ、検討を開始。東芝など国内メーカーが相次いでIBMの技術の導入に尻込みしたうえ、マウントフジチームに参集したメンバーの約半分が「20年遅れの我が国には無理」と脱落したが、残った仲間は手ごたえを感じていた。もっとも、その中で一番積極的だったのは当の小池なのだが。

挑戦、そして挫折「あの失敗をずっと考えてきた」

 東が小池に白羽の矢を立てた…

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