窓の近くやベランダに足場となるような物を置かないで――住宅の窓やベランダからの子どもの転落事故を調査している消費者庁の消費者安全調査委員会は27日、今すぐできる事故防止策として窓やベランダの点検を呼びかけるメッセージを出した。報告書を公表する前にこうした声明を出すのは、委員会として異例。
同委員会の調査によると、転落事故事例のうち半数以上で、子どもが足場にした物体が確認されている。窓から身を乗り出したり、ベランダを乗り越えたりしようとした際に足がかりにしたもので、具体的には窓の近くのベッドやソファ、ベランダに置かれた椅子やテーブルなどがある。
東京消防庁の2019年から23年までの集計では、事故は5月に最も多く発生し、5月から10月までの発生件数が全体の7割以上を占める。
事故は窓を開ける暖かい季節に多く発生しているとして同委員会は「窓やベランダを点検して子どもの足場をなくし、窓をしっかりと施錠することが事故防止の第一歩」と呼びかけている。
同委員会の中川丈久委員長は「解錠して窓を開けてしまえば、子どもが転落する危険は極めて高くなることを、ぜひ広く認識していただきたい」と話している。