クラウドファンディング(CF)で資金を募り、外部の人が立ち入れない奈良市の佐紀古墳群を上空からレーザー測量した若手考古学者2人が7月、研究成果を報告書にまとめて刊行した。新たに発見した2基の古墳も紹介している。
奈良市北部に広がる佐紀古墳群は、全長200メートルを超える前方後円墳が集中する日本を代表する古墳群の一つだ。だが、それらの大型古墳は宮内庁が歴代の天皇や皇后の陵墓か、その候補地に指定した「天皇陵古墳」で、外部の研究者は立ち入ることができない。
そこで奈良市教育委員会の村瀬陸さん(34)と柴原聡一郎さん(30)は3年前、佐紀古墳群を上空からレーザー測量する資金をCFで募り、約500万円を調達。個人の研究として測量を実現させ、その成果をオンライン報告会や速報成果資料集で発表してきた。
天皇陵古墳の一部にはこれま…