「どうして俺がこんなことをしているのかわかるか。当ててみろ」
千葉県船橋市で5月中旬、無職の男(32)が母親(59)と妹(27)を人質に自宅に立てこもった。男は両手に包丁を持ちながら2人に突然「クイズ」を出した。男はなぜ事件を起こしたのか。法廷では約12時間に及んだ密室空間でのやりとりとともに、男の「クイズ」の答えも明らかになった。
転職がうまくいかず
男は5月20日午前1時半ごろから同日午後1時25分ごろまで、自宅アパートの洋室で、同居する母と妹に包丁を示し、ドアの鍵をかけるなどして監禁した、として起訴された。
7月11日に千葉地裁であった初公判では起訴内容について「間違いありません」と認めた。
検察側の冒頭陳述などによると、男は高校中退後、解体作業員として住み込みで働いたが、腰を痛めて働けなくなり、2年ほどで辞めた。その後、実家に戻ったが、転職活動がうまくいかず、数年前から自宅に引きこもり、母親から再就職を促されていら立つようになった。
検察側は、母親と妹、そして同居しているものの監禁の対象にはならなかった兄の供述調書などを証拠として提出。法廷で3人の言葉が読み上げられ、犯行当時の状況が明らかになった。
きっかけはテレビの音量
「うるせえんだよ!」。5月…