立憲民主党の野田佳彦代表は30日、政権奪取を目指した各政策分野の責任者「次の内閣(ネクストキャビネット=NC)」の人事を発表した。女性や若手・中堅を積極的に起用しつつ、代表選の決選投票で争った枝野幸男元代表の陣営も登用。党内バランスに配慮した。
政権担当能力をアピールしようと、民主党政権で政務三役を担った議員を8人起用した。国土交通相の在任期間が4カ月にとどまった馬淵澄夫氏を除き閣僚経験者の登用は見送り、若手・中堅にポストを与えた。女性は過去最多の8人。代表選に挑んだ吉田晴美衆院議員も1期生ながら「ジェンダー・共生・孤独孤立担当相」に抜擢(ばってき)した。
野田氏は、枝野氏を党最高顧問に据え、人事を通じ党内融和を図りたい考え。NCの布陣では、代表選で支援を受けた重徳和彦政調会長を「官房長官」、階猛・元総務政務官を「財務金融相」に置く一方、枝野氏に近い近藤昭一・元環境副大臣を「環境相」で続投、福山哲郎・元官房副長官を「安全保障相」に据えるなどの配慮をした。代表選で争った泉健太前代表の時のNCメンバーも残し、衆院選に向け継続性も重視した。
野田氏は記者団に「一定の経験を持った人たちに安定感を発揮してもらう一方、政策作りで刷新感も併せ持たなければいけない」と強調。10月1日に「初閣議」を開き、衆院選に向け公約づくりを急ぐ方針を示した。
ただ、自民党の石破茂新総裁が「27日投開票」の方針を表明した中、立憲内では「選挙が迫る中、いまや党の役職にはあまり意味はない」(党中堅)との声も出ている。
「次の内閣」の全容は次の通り(松井望美)
立憲民主党が設置した「次の内閣」(敬称略)
首 相 野田佳彦
官房長官 重徳和彦
内閣府・防災・国家公安
杉尾秀哉
経済財政 馬淵澄夫
地方創生・消費者・沖縄北方
石川香織
ジェンダー・共生・孤独孤立
吉田晴美
子ども政策 西村智奈美
デジタル・行政改革・公務員改革
牧山弘恵
復興・福島再生 岡本章子
総 務 野田国義
法 務 打越さく良
外務・拉致問題 渡辺周
財務金融 階猛
文部科学 牧義夫
厚生労働 山井和則
農林水産 金子恵美
経済産業 田嶋要
国土交通 小宮山泰子
環 境 近藤昭一
安全保障 福山哲郎
税制調査会長 大西健介
憲法調査会長 逢坂誠二