立憲民主党の枝野幸男元代表は12日、さいたま市内の講演で米トランプ政権の関税措置を受け、今国会での内閣不信任決議案の提出は見送るべきだとの考えを示した。少数与党のため、野党がまとまれば不信任案は可決できる状況にあるが、枝野氏は「政治空白を作りかねないことを年中行事だからと言ってやるのは、無責任極まりない」と語った。
枝野氏は「少なくともアメリカの通商交渉について言えば、石破内閣は求心力を持って臨んでいる。野党第1党も支持している」と述べ、政府の関税対応に協力する姿勢を強調。そのうえで「不信任案を出すべきだって言っている人は無責任極まりないか、外交を知らないかのどっちかだ」と批判した。
衆院で多数を占める野党にとっては、不信任案は石破茂首相を追い詰めるカードで、今夏には参院選もあるため、提出するかどうかが焦点となっている。他方、与野党問わずに関税措置への対応が迫られているさなかに提出すれば批判を招きかねないため、難しい判断になる。
野田代表「色々な考えを受け止める」
一方、立憲の野田佳彦代表は同日、佐賀県嬉野市で日米関税交渉が不信任案の提出に影響するかを問われ、「今から予見をもって申し上げることはできない」とし、枝野氏の発言についても「色々な考えを受け止めながら、総合判断したい」と述べるにとどめた。