弟で広島ガス社長の中川智彦氏=2024年4月2日午後3時3分、広島市中区、興野優平撮影
  • 写真・図版

 「オーナー企業でもないのに、こんな偶然があるのか……」。中国地方であった今春の人事が「珍事」として話題になっている。電気とガスそれぞれで地方最大のシェアを持つインフラ企業2社の社長が実の兄弟になったためだ。ライバルとして激しく競うのか、距離が近くなるのか。2人の動向に地元の視線が集まる。

 中国地方最大のガス会社・広島ガス。その社長に4月に就いたのは中川智彦氏(61)だ。2日の会見で「電力事業を、ガス体事業と並ぶ新たな基幹事業として位置づけ、確実に大きく育てていきたい」と意気込んだ。

 同社は事業の多角化で電力事業の拡大に力を注ぐ。今年1月からは二酸化炭素(CO2)の排出量が実質ゼロとなる「グリーン電力」の家庭向けの販売を始めた。2026年度までに1万5千件の契約数を目標に掲げる。

 だが、中川氏の発言は、「兄…

共有
Exit mobile version