第三者の精子や卵子を使った不妊治療のルールを定める「特定生殖補助医療法案」が、6月に閉会した通常国会で廃案となった。20年以上にわたり法整備が望まれ、議員立法で提出されたが、審議すらされなかった。

 6月下旬、法案の廃案を受けて日本産科婦人科学会の前理事長の加藤聖子・九州大教授は「100%満足する内容ではなかったが、国の関与を求めていくための一つのブレークスルーとして我々も期待していた」と会見で残念がった。

 特定生殖補助医療とは、第三者から精子や卵子を提供してもらう不妊治療。国内では1948年に、第三者の提供精子を使った人工授精(AID)が初めて実施された。その後、国内では1万人以上が生まれたとされる。

 だが、日本には生殖補助医療に関する法規制がない。多くは日本産科婦人科学会の指針に基づき行われていたが、なかには夫の同意を得ずに第三者の提供精子を使ったり、商業目的の精子売買が行われたりなどの問題が起きていた。

 2003年に厚生労働省の部会が「法整備が必要」とする報告書をまとめたが議論は深まらなかった。14年ごろには自民党内で法案提出に向けた動きがあったものの、最終的には提出には至らなかった。

 厚労省の報告書から20年以上が経ち、超党派の議連で議論を重ねて、最終的には24年10月に自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主の5党で法案をまとめた。

 法案は、人工授精に加え、提…

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