「生まれた時から自分は『神の子』として育てられてきた」
30代の男性の両親は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者だ。教祖・文鮮明氏のマッチングによって合同結婚式で結ばれた。
男性の名前は、教祖が推奨した漢字を用いて付けられた。生まれたときから教団の一員であることを示す、一つの象徴が名前だととらえる。今も、名乗るたびに「教団に生み出された存在」という意識から逃れられず、生きること自体に苦しみを覚える、と訴える。
男性はブログで、自分の境遇について、こうつづっている。
「神の子だからこそ、人間ではないからこそ、どんな虐待も許されてきた」
この男性は、親の信仰の強要などで受けた精神的苦痛の損害賠償を求めて、他の2世らと教団を相手に提訴します。親の信仰によって生きづらさを抱える「宗教2世」の問題は、2022年の安倍晋三元首相銃撃事件以降、注目されました。しかし、問題は今も残ります。課題と、必要な支援について考えます。
男性は、本名は使わず、「野…