調査報告書を公表する(前列左から)五味祐子委員、竹内朗委員長、山口利昭委員=2025年3月31日午後5時8分、東京都港区台場2丁目のフジテレビ、菊池康全撮影

 フジテレビなどが設置した第三者委員会は、約2カ月にわたる調査を経て300ページ近くに及ぶ報告書をまとめ、元フジアナウンサーの女性が元タレントの中居正広氏から「業務の延長線上で」性暴力を受けたと認定した。示談の守秘義務が壁となり中居氏を十分に聴取できない中、「デジタルフォレンジック(電子鑑識)」などを駆使しつつ、克明に浮き彫りにした事案の経緯とは。

  • フジ第三者委員会、「『業務の延長線上』の女性への性暴力」を認定

 「男同士じゃつまらんね。女性いるかなね」。「アナ誰か来れるかなぁ」。2023年5月28日。中居氏は、自身のマンションで3日後に予定したバーベキューへの参加者を相談するショートメールを送った。宛先は、フジの編成部長。中居氏が出演していたテレビ番組を担当していた。

 編成部長は「アナウンサー調整してみます」と返し、女性に声をかけた。女性に「仕事でプラスになる」とも話したという。中居氏はバーベキューをきっかけに、女性と電話番号を交換。6月2日、こんなメールを女性に送った。

 「今晩、ご飯どうですか?」。台風や梅雨前線の影響で全国的に大雨に見舞われた日の正午過ぎだった。

知られたら生きていけない

 夜は予定がない、と女性から…

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