欧州連合(EU)加盟を目指す旧ソ連のモルドバとジョージアでロシアの影が急速に色濃くなっています。飛び交う偽情報やウクライナ侵攻の影響を受けるなか、「ロシア支配」からの脱出への苦闘が続いています。
旧ソ連構成国で、いまは欧州連合(EU)加盟を目指すモルドバが、ロシアの「情報工作」をめぐって揺れています。問題の根底に何があるのか話を聞きました。(キシナウ=中川仁樹)
- ロシアの「情報工作」に揺れる小国 「第2のウクライナ」と恫喝
ラドゥ・マリアン・与党「行動と連帯」(PAS)副党首
――ロシアの「情報工作」の影響は。
「すべてが政府の責任だと非常に効果的に主張し、それを信じる人がいる。偽情報の拡散に多額の資金を使っているので常に対策が必要だ」
――野党は欧州連合(EU)加盟の国民投票のボイコットを呼びかけ、大統領選も2人による決選投票になれば勝機があるとみているようです。
「国民投票の成立には33%の投票率が必要なので、通常は投票率が50%以上になる大統領選と同じ日に決めた。ウクライナ侵攻による難民危機や物価高など、政権は独立後で最も困難な時期を経験してきた。不満はあっても支持する国民も多く、我々が勝利する自信はある」
――国民はEU加盟を支持していますか。
「EU加盟を問う国民投票に…