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日本とこんなに違うの!? 世界の選挙戦

 大音量で候補者の名を連呼する選挙カーも、奇をてらったポスターを貼る掲示板も、ない。

 労働党による14年ぶりの政権交代が起きた英国の総選挙。その選挙戦は、静かに、粛々と進められた。

 スナク首相(当時)が突然、解散総選挙を発表したのは5月22日。選挙期間は、解散日翌日を1日目として「週末と祝日を除いて25日間」と規定されており、7月4日に投開票が行われた。

日本とこんなに違うの!? 世界の選挙戦

ポスター枠の販売や演説妨害などが相次ぎ、選挙が荒れています。今年は世界各地で大型選挙が行われる「選挙イヤー」ですが、海外の実態はどうなのでしょうか。特派員が感じた日本との違いを、世界から報告します。

 有権者へのアピールは、日本では禁じられている戸別訪問が主流だ。

 「私の名前はテリーザ・メイです。7月4日に行われる総選挙で、保守党候補を応援しています」

 6月末、英スコットランドでは、パンフレットを手に有権者の自宅を回るメイ元首相の姿がインターホンの映像に記録され、ソーシャルメディア上で拡散された。

写真・図版
英スコットランドで有権者の自宅に戸別訪問をするメイ元首相。労働党の地方議員が2024年6月30日、X(旧ツイッター)に投稿した動画から

 戸別訪問では「誰に投票するか」を尋ね、各地区のまとめ役が情勢を把握するのにも役立つ。

 有権者の生の声を聞く貴重な機会だが、「攻撃」を受けることもある。今回の選挙では、戸別訪問をしていたクレバリー内相が「保守党政権が国をクソにした。お前のことは誰も好きじゃない。家に帰れ」と罵倒される映像も、ソーシャルメディアで広められた。

■テレビ討論会、マニフェスト…

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