「どうしよう、どうしよう」「車いすの人には何をすればいいんだろう」

 岩手県大槌町の小中一貫校「町立大槌学園」の体育館で、中学3年にあたる9年生の岩間ひらりさん(15)は焦った。

 目の前には、「体調が悪いんです」と言う車いすの女性。簡易ベッドの前で固まっていると、「移してもらえますか」と介助を求められた。

 津波避難所に指定されている同校の体育館で昨年11月にあった、避難所の設営・運営訓練の一場面だ。岩間さんは「保健係」。車いすの人は病院でしか見たことがない。やりとりするなんて、人生で初めてだ。

 ベッドに移る手伝いをしようとしたが、車いすが動いてしまって止め方が分からない。近くにいた養護教諭にストッパーのかけ方や体の抱え方を教えてもらい、移そうとした。

「介助」された車いすユーザーは、朝日新聞盛岡総局の記者でした。記事後半では、中学生と記者それぞれの視点をまじえてお伝えします。

 しかし、思ったより重い。自…

共有
Exit mobile version