【動画】ラムサール登録第1号の釧路湿原周辺で進むメガソーラー建設=遠藤雅彦撮影
A-stories ソーラー発電はいま
「まるでメガソーラーの海だ」と地元の人々が語る場所がある。
北海道釧路市の湿原地帯を東西に貫く道東道を車で走ると、両側に太陽光パネルが広がる。点々と小規模のパネルがあるところもあれば、東京ドームほどの土地を埋め尽くすかのように、十数台の大型パネルが置かれている場所もある。
釧路市は「霧の町」として知られ、春先から霧が多い。一方、秋は晴れが多く、冬は雪が少ない。年間の日照時間は約2千時間で東京並みだ。
さらに、泥炭地の湿原地帯はかつては農業などに利用しづらい土地とも言われ、土地代は比較的安い。数年前にパネルを設置した道内の事業者は「北海道で一番の問題になる雪が少なく、平らで送電網からも近い」とその利点を話す。
国立公園の周囲に建設は可能か?
ただ、この場所から約1キロ北に進むと、日本最大の湿原「釧路湿原国立公園」の範囲内に入る。1980年に国内で初めてラムサール条約に登録され、貴重な生き物の生息環境を守ることが定められた場所だ。
タンチョウの営巣が確認され、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されるキタサンショウウオ(市天然記念物)の生息地でもある。自然界への影響が懸念されている。
なぜ国立公園の周囲を太陽光パネルが埋め尽くすような状況が生じるのか。
- 【次回】排出ゼロとトラブル回避の両立は可能か 全国に広がる太陽光ジレンマ
釧路湿原に限らず、国立公園…