「望まない転勤」が人材流出のきっかけになりかねないとして、転勤を選択制にするなど、制度を見直す企業が出始めています。リクルートワークス研究所元所長で、職業能力研究所の大久保幸夫さんは5年ほど前から「転勤制度は廃止すべきだ」と提言してきました。転勤制度がなぜ時代にそぐわないのか。会社と働き手、双方が納得する人事制度をどう構築していけばいいのか、聞きました。
- <シリーズ>介護・育児中の望まない転勤
――転勤制度の廃止を早くから提言してきました。企業の意識は変わってきましたか。
企業の人事担当者の集まりなどに出向くと、以前は転勤問題は響かなかったのですが、ここ数年で転勤制度の見直しに関心が集まるようになってきました。
――どういう背景があるのでしょうか。
大きなきっかけは採用環境の…