高校吹奏楽の「聖地」は、全日本吹奏楽コンクールが開かれてきた名古屋国際会議場のセンチュリーホール。その大舞台に何度も立つ愛工大名電高校(愛知)の吹奏楽部員にとっても、高校球児の「聖地」阪神甲子園球場は、特別な場所だ。
部長の御手洗彩乃さん(3年)が初めて甲子園で演奏したのは、2022年夏。同時期の音楽祭に出演する2、3年生に代わり、全国の舞台で野球部を応援するという大役が1年生に託された。
アルプススタンドから見える景色の「広さ」に圧倒された。どの吹奏楽の舞台とも違う開放感だった。
アルプスの夏音
高校野球の応援の演奏をめぐる物語
八戸学院光星(青森)と対戦した2回戦は、中盤まで1―2の競り合い。担当の打楽器で必死にエールを送った。
七回表に3点をとられたが、その裏に4点を挙げて同点に。曇っていた空が母校の活躍に呼応するように晴れていった。
延長十回、サヨナラ勝ち。試合展開で、場の雰囲気も変わっていく野球応援の楽しさを知った。
とっておきの曲
今年の「春の甲子園」では…