シリーズ「すいエンス!」
吹奏楽を科学するーー。「あるある」や悩みを科学的に掘り下げてみました。
東京都内のアマチュア吹奏楽団でクラリネットを吹く女子大学生(19)にとって、悩みの一つはときどき、下唇の内側が痛くなることだ。
音を出すときは、まず下の前歯に下唇をかぶせ、そのうえに楽器の器具「マウスピース」をのせる形で、口にくわえる。
演奏中、下唇は歯と楽器に挟まれる。練習を重ねていると、歯にあたる唇の表面に口内炎のような傷ができてしまう。いまは痛みを避けるため、あぶらとり紙をたたんで唇の上に置き、なんとか練習を続けている。
管楽器奏者にとって、歯や口は楽器の一部とも言える。口の中のトラブルは演奏の質、ときには演奏家生命そのものを左右する。
唇を保護する器具も
歯や口のケアを通して、管楽器奏者の支援に力を入れる歯科医がいる。東京医科歯科大学の服部麻里子講師だ。
もともとの専門は、がんの手…