コロナ禍では、多くの病院で面会が制限されました。感染防止のためである一方、緩和を求める患者や家族も少なくありません。大阪大学医学部付属病院(大阪府吹田市)は、比較的早い時期に面会を再開しました。どのような背景があったのか、そして面会はどうあるべきなのか。感染症専門医で同大学大学院の忽那賢志教授(46)に聞きました。

感染症専門医 忽那賢志さん

インタビューに答える忽那賢志・大阪大教授=大阪府吹田市

 ――阪大病院では、2021年10月に原則禁止だった面会を、一定条件のもと再開しました。どのような判断があったのですか。

 ワクチンの2回接種か、PCR検査で陰性であることを条件に、30分面会できるようにしました。デルタ株が流行した「第5波」の後、感染者がかなり減っていたことや、ワクチンを2回接種していれば発症のリスクが低いことなどを踏まえて、院内の会議で提案しました。PCR検査を条件にしたのは、ワクチン接種をしていない人が不公平にならないためです。

 当時は、ほとんどの病院が面会を禁止していましたが、阪大病院の特性も考えて判断しました。

 ――どのようなことですか。

 阪大病院は、臓器移植を待っ…

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