元プロ野球ソフトバンク投手で、京都大野球部の監督を務める近田怜王さん(34)は、報徳学園高(兵庫)2年の時、夏の甲子園で熱中症になり、途中降板した。3日後に再び発症し、入院。苦しかった経験をいま、指導の現場で生かしている。
2007年8月12日、第89回全国選手権大会1回戦の青森山田戦。先発した近田さんは四回あたりから、ふくらはぎがつり始めた。
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実は7月の兵庫大会が終わってから休みがほとんどなく、微熱もあり、目は充血していた。体調不良であることはチームには黙っていたという。
「チームが勝つために自分が投げなければいけない。兵庫大会の内容が良くなかったので、『逃げちゃダメ』だという思いがあった」
試合中、ベンチで水を飲んでも塩分を取っても、症状は改善しなかった。七回、両足のけいれんが止まらず、立っていることもままならなくなって、途中降板。試合は0-5で敗れた。
その3日後の練習。体調は完全に回復していなかったが、朝からランニングのメニューをこなした。昼食を挟み、ランニングを再開した時だった。
「1度こけて、起き上がって…