田植えをする松坂節子さん(中央)と松坂協子さん(右端)。津波で2階部分だけ流されてきた民家(後方中央)の中にぬれていない布団が見つかり、避難所となった公民館で使った=2011年5月16日

 「海水につかった場所。でもどうなっか、やってみっぺ」。2011年3月の東日本大震災から2カ月後、岩手県陸前高田市竹駒町では、田植えをする住民の姿があった。

 田んぼは海から直線距離で約4キロ離れていたが、川を遡上(そじょう)して一部に黒い波が来た。それでも集落の住民たちは、比較的被害の軽い田んぼに残っていたがれきを協力して取り除き、なんとか田植えにこぎ着けた。

 そのうちの一人、松坂節子さ…

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