山崎望さん

 参院選の台風の目となった参政党。政治学者の山崎望さんは、参政党が支持された理由を、有権者の不安や被害者感情を「肯定」したことだと考えます。参政党の「躍進」が日本の民主主義に突きつけた課題とは何か。その課題をどう乗り越えればいいのかを聞きました。

 ――参院選で、参政党は大きく議席を増やしました。この「躍進」をどう見ますか。

 「いくつかの要因が重なっていると思います。まず、自民党の右派、すなわち旧安倍派の支持者の離脱です。石破茂政権で主導権を失い、選択的夫婦別姓や改憲、歴史認識で主張を出せない右派に失望し、その受け皿として参政党に流れたところはあるでしょう」

 「『減税ポピュリズム』に乗ったところもあると思います。物価、とりわけ食料品価格の高騰で、不安や不満が広まっている。『手取りを増やす』を掲げた国民民主党をはじめ、多くの政党が減税を打ち出しましたが、国民民主が比例候補擁立のごたごたで一時失速した。そこから離れた人々が減税と社会保障料減額を掲げた参政党へ移ったというところもあったでしょう」

 「とはいえ、一番大きいのは…

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