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黒く焼けた巨大な柱がならび、堅牢な地下壕(ごう)だったことがわかる。作戦室などいくつもの部屋に分かれていた=2025年6月6日、長崎県佐世保市、小宮路勝撮影
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 長崎県佐世保市の旧佐世保鎮守府防空指揮所跡は1942年に造られ、海上自衛隊佐世保地方総監部の地下に残っている。暗闇の中、屋内灯をつけるとギリシャの古代神殿をほうふつとさせる6本の柱がならぶ大空間が現れた。

 同指揮所は九州を中心に四国、朝鮮半島の南部、南西諸島などの防空見張り所などから情報を集め、侵入してくる敵機の進路や到着時間を割り出し高射砲による対空戦の指揮をとった。佐世保大空襲で鎮守府庁舎などは焼けたが同指揮所はびくともしなかったという。戦後の不審火で壁や扉など内装の大部分が焼けたが、トイレの入り口には下士官や女子用の文字が残っている。2016年には日本遺産に選ばれた。普段は公開されていないが、佐世保観光コンベンション協会が企画する「海軍さんの散歩道」に組み込まれ2024年度は約350人が訪れた。

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