記者の取材に応じる徳島県の後藤田正純知事(右)=2024年10月11日午前11時7分、県庁、能登智彦撮影

 徳島県の最低賃金は今年、中央の審議会が示した目安を34円も上回って引き上げられ、時給980円になった。引き上げ率は9.4%と異例の水準だ。後藤田正純知事が、繰り返し高い水準での決着を要請したことが背景にある。労使で決めるのが原則の最低賃金に、政治はどうかかわるべきか。後藤田氏に聞いた。

 ――最低賃金は、労使それぞれの主張を踏まえ、学者や弁護士らの公益委員が調整することになっています。今回、なぜ知事として強く引き上げを要請したのでしょうか。

 「政治家になってから、本当の民主主義とは何なのかを考えてきました。政策の意思決定プロセスにおいて、本当に国民目線、県民目線、地方目線、現場目線があるのか疑問でした。様々な意思決定のプロセスをみるにつけ、前例踏襲になっているのではないかと感じていました」

 「労働政策は国際労働機関(…

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