東京都内の観光会社に勤める男性(56)は2年ほど前に妻から突然、離婚を切り出された。
結婚27年目。長男(26)は結婚し、孫も授かった。長女(23)は就職して九州に移り住んだ。妻と2人きりになる今後についてゆっくり話し合おうとした矢先だった。
- 6億円より「夫がホッとするのが許せない」 熟年離婚を渋る妻の執念
「ずっと母子家庭みたいだった」「仕事ばかりで家のことは何もしない」「子育てや家事に感謝の言葉もない」「モラハラに耐えられなくなった」――。妻はこう言い残し、出て行った。
「モラハラ夫」と妻から三行半
妻が長女のもとにいると知り、会いに行こうとしたが、妻から携帯への連絡も拒否された。「別れたくない。自分が悪かった」。長女を通じて何度も自分の気持ちを伝えたが、妻の気持ちは変わらなかった。
子どもたちからも「お母さんの意思を尊重した方がいい」と諭され、別居から1年後、男性は離婚に応じた。
家族4人で暮らし、ローンが5年ほど残る分譲マンションの部屋に、一人暮らし。時折、近所に住む長男一家が様子を見に来てくれた。
離婚して1年が経過した頃、職場の同僚が相次いで再婚した。60歳の同僚は結婚相談所を通じて、50代と40代の同僚は婚活アプリで再婚相手の女性を見つけた。
職場は70歳定年。職業人生はまだまだ長い――。男性は昨夏、結婚相談所主催の婚活パーティーに思い切って参加してみた。
記事後半では、マッチングアプリで「運命の人」に出会い、66歳で再婚した女性が登場します。シリーズ【熟年離婚のリアル】、次回は5月10日夕に配信予定です
LINEを交換したのは離婚…