既存政党をAIの活用へと駆り立てるのは、いまの政治状況への危機感だ。
「世の中の意見を広く集めて政策を考えた方がいい」
日本維新の会の共同代表だった吉村洋文(49)は昨年12月、党の代表に選出されると、まもなくして党内に指示を出した。AIを使ってインターネット上の声を広く聴くブロードリスニングの活用だ。
- 【連載1回目はこちら】AIが政治家に示した「声」、それは民意か誘導か 問われる民主主義
ブロードリスニングで目指す脱・地域政党
吉村はAIエンジニアの安野貴博(34)にも接触した。「社会保険料の引き下げでうねりを起こしたい」との思いから、テーマは社会保障関連の投稿に絞った。
エンジニアと契約を結び、今年3月に本格稼働。X(旧ツイッター)の投稿や、Youtubeの維新の公式チャンネルに寄せられたコメントを拾い、AIで解析している。一部は、夏の参院選の公約に反映させたい考えだ。
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昨年の衆院選で議席を減らした既存政党も、AI活用を模索しています。その手法とは。記事の最後では、台湾で初代デジタル担当相を務めたオードリー・タン氏への単独インタビュー動画も視聴できます。
昨年の衆院選で6議席を失い…