「理事長と学長の独断専横がまかり通っている」
「独裁国家の恐怖政治のような学内の状況」
「理事会は理事長の顔色を窺(うかが)って反対意見も述べられない」
東京女子医科大学(東京都新宿区)の第三者委員会が昨年6~7月に役員や教職員5千人以上へ実施したアンケートには、理事長だった岩本絹子容疑者=警視庁が背任容疑で13日に逮捕=らによる支配や統治不全を物語る声が多数寄せられた。
理事長への権限集中 背景に国の政策
アンケートで、「岩本氏らを批判すると不利益な扱いを受ける恐れがあると感じるか」という質問に「強く思う」「ある程度そう思う」と答えた人は、回答者の計73%に上った。
「大学運営への批判や問題提起を自由にできるか」という問いには、同じく計79%が「全く思わない」か「あまりそう思わない」と答えた。
従来、私立学校法は、経営を担う理事会や諮問機関の評議員会を法人運営の要に位置づけてきた。
ただ、理事の選任・解任や、その手続きを定める寄付行為(企業の定款にあたる規則)の変更には、経営トップである理事長に大きな権限がある。
また、評議員は寄付行為に基づいて選ばれる上、理事が兼職することも少なくなく、監視・監督機能の不十分さが指摘されてきた。
近年、その理事長の不祥事が相次いだ。
理事長たちの暴走を受け、国は私立学校法を改正。評議員会の権限を強化し、理事長らを監視させようとしています。しかし評議員は大学の実態に疎い人も少なくなく、理事長に打診されて就任することも多いとして、限界を指摘する声もあります。
2018年の東京医科大をめ…