少子高齢化が進み、医療や年金といった社会保険料の負担が現役世代にのしかかっている。できるだけ負担を避けようと、保険料を「節約」する手法が広がっている。
「社会保険料が月7万円くらい安くなった」
そう振り返るのは、盛岡市のエンジニアの男性(30)だ。地元の大学を卒業後、システム開発会社で5年半働き、2022年に脱サラしてフリーランスになった。会社員時代の基本給は月20万円強。多いときで月100時間近く残業をしていたが、それでも年収は500万円ほどだった。
アプリ開発などプロジェクトの多くを主導していたが、会社には年功序列の制度が残り、仕事に見合った給与が得られていないと感じていた。
独立後の年収は、1年目で2倍近い1千万円に増えたが、独立を決めてから健康保険料が急増することがわかった。
収入に応じて増える社会保険料は、会社員時代は給与から天引きされていた。今後は個人事業主として、自治体が運営する国民健康保険(国保)に加入することになる。労使折半の会社負担分もなくなるため、保険料を算出する際に差し引ける経費を年150万円として試算すると、会社員時代の4~5倍の年約100万円になった。
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「いくらなんでも高すぎる」。大きな病気をしたことのない男性には不満が募った。そんなときに知ったのが「マイクロ法人」だ。個人事業主が税金や社会保険料を「節約」できる手法として、近年ネット上で広がっている。
あなたのお金はどこへ
給料からは所得税や住民税、社会保険料が天引きされ、買い物をすれば消費税も取られます。これらの負担が重くなっている原因は、140兆円近くになる社会保障費です。私たちの懐から出ていくお金はどこに行き、どう使われるのでしょうか。グラフやチャートで分かりやすく図解します。
「やらないと損」「無知はコ…